日時:2012年1月21日(土)時間:13:00〜16:15
場所:マルニ高知市 COMOサロン
講師:許斐直人 / 守川耕平
参加者:13名
{プログラム}
①あいさつ/講師紹介,②講義第1部③講義第2部④講義第3部
講義第1部
講師>マスターオーガニックコーディネーター /許斐直人
内容>オーガニック(有機)食品が食卓に届くまで
1.オーガニック食品の見分け方
2.オーガニック食品の表示
3.誰が有機JASを貼るか?
4.有機の輸入食品
講義第2部
講師>マスターオーガニックコーディネーター /許斐直人
内容>有機加工食品、有機畜産物、有機飼料
1.有機加工食品
2.有機加工食品の種類と表示について
3.有機畜産物
4.有機畜産物の表示について
5.有機飼料
講義第3部
講師>高知工科大学地域連携機構 客員研究者/守川耕平
内容>安全性の評価基準について
【講義感想】
講義第1部
今日は大阪から来られたマスターオーガニックコーディネーターの許斐(このみ)先生が講義してくれました。許斐先生は、ハンカチなど身近にあるものからオーガニックを伝えていきたいそうです。授業の初めにはコットンの原料になっている綿花が一面に咲いている美しい写真を見せて頂きました。しかし、その美しい綿花は生産を高める為に強制的に枯れ葉剤で枯らされた後、収穫されるそうです。そうして農薬づけになった物が手元に届きます。また労働者の健康被害も気になります。話しは変わり、2025年までに農業従事者は1/4に減るだろうと予測されているようです。農林水産省では、国農林業の生産構造、就業構造を明らかにするとともに、農山村の実態を総合的に把握し、農林行政の企画・立案・推進のための基礎資料を作成し、提供することを目的に、5年ごとに行う『農林業センサス』という調査結果を提供しています。この『農林業センサス』によると1955年を境に、5年ごとに100万人〜200万人のペースで農業従事者が減少しており、2005年には,約556万人まで減少しています。単純にこのペースだと2025年には156万人以下となり確かに農業従事者の人口が1/4まで減少しそうです。この現状を改善する為に、どうしたら自分たちの食べものを安定して供給していく事ができるのか、真剣に考えていく必要があります。だからこそ子供たちのためにオーガニックを始めようと言うのが許斐先生の主張です。その許斐先生の活動の1つとして食育ハーブガーデン協会(HP:http://www.herb-g.jp)が紹介されていました。こちらの協会では、子供たちとハーブを栽培して、成長したハーブを使って料理を一緒に作る中で自然と触れ合い、未来の地球のことや、思いやり助け合いについて学ぶ活動をされています。
今日の講義第1部では、「オーガニック(有機)食品が食卓に届くまで」について学びました。食品の授業は身近な商品なのでとても興味深かったです。手元にチョコレートがあったので、パッケージの裏面を見ると農縮ホエイ、酒精飲料、野菜色素、トレハロースなど自分が料理をする時には全く使った事も聞いた事もない材料が見られます。こうした耳慣れない材料は、例えば遠い原産地から運ぶ過程で、味や色が変わらないように添加される酸化防止剤のように、味とは関係なく、消費者に商品が届く過程で必要になるものがあるそうす。因に、濃縮ホエイは乳を乳酸菌で醗酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清を濃縮し、固形状にしたものでした。こうした表示に関する内容は食品表示制度で定められており、消費者庁が担当しています。そうした制度自体意識して聞くのは初めてでした。また商品の裏側には「本品は卵、小麦、落花生を使用した設備で製造しています。」といった、製造設備に関する表記もあります。これは重篤なアレルギーの方への注意喚起表示です。原材料として使用していないにもかかわらず、特定原材料(卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)等が意図せずごく少量、混入することがあるので原材料欄外に注意喚起表示をすることが認められています。食品に関する情報を正確に知るには、そうしたアレルギーなど、人がもつ病気についても学ぶ必要がありそうです。
加工食品のオーガニック認定は、整理整頓すること、掃除をすること、記録をすることができていれば、取得できるそうです。そう言われるとできて当たり前のように思いますが、同時にそれがとても難しいのだろうと思います。自動で記録が行われ、整理整頓や掃除をコントロールしてくれるツールでもできればいいと思いました。ただし、人間が人間を完全に管理することができると思うのは驕りなのかもしれません。
食品表示の話しになると、知っていてもおかしくないような事を、私は何にもしらないんだなと思わされます。今日の話しででてきたバターについて成る程なと思うことがありました。バターの色は薄い黄色です。この黄色は草の色だそうです。この草の色は牛が季節ごとに食べている植物の種類で変わってしまいます。その色を調整するために加えるのがベータカロチンです。今の社会は私たちが食べている物の色や味が、いったい何なのか?当たり前にしっているべきことが分からなくなっているように思います。社会にいろんな物が増えたことで分からないことが増えてしまったのではないでしょうか。
休憩1
14:20(10分休憩)
講義第2部
講義第2部では、畜産物の話しを中心に聞きました。オーガニックの畜産の話しは環境愛護と動物愛護の視点を中心に考えると理解しやすいそうです。牛は草を主食としますが、草は栄養素が少ないので消化しにくい上に大量に食べる必要があり、胃が4つあります。しかし今は飼料にコーンを与えられています。コーンは消化しやすいので胃が1つしか必要なく、残りの3つが病気になるといった問題が起きているそうです。こうした畜産業の怖い話を今日は2・3紹介して頂きました。特にこれは酷いと感じたのが霜降り牛の作り方です。普通に牛が健康な状態で暮らしていれば霜は筋肉の間に入りません。霜降りが沢山ある、脂身の多い牛を育てるには、塩をなめさせて生活習慣病にさせ、動かないようにさせるなど、不健康にして動かないようにするそうです。凄い話しです。鳥の場合は、3ヶ月で育つところを、生産性を上げる目的で成長ホルモンを与えて、1ヶ月で成長させるケースがあるそうです。1ヶ月で育つ鳥は骨が成長しきらず、走ることが儘ならず、ますます太らせることができます。動物愛護の視点で考えると非常に不自然な育て方です。それがオーガニック畜産物の思想の原点です。畜産物の動物たちがいったいどういう扱いを受けているのか、考えるきっかけになる話しでした。
この畜産の話しの中には、生物濃縮の話しがありました。生物濃縮とは、生態系での食物連鎖を経て生物の体内に化学物質が濃縮されてゆく現象です。飼料の中に健康を害する化学物質が瞬間的には健康被害を起こさない程度にしか混入していなくても、生物の中で自然に凝縮され、健康被害を起こすレベルまで濃度が上がっていきます。それが何十年という長い時間をかけて行われるので分かりにくいことが問題を浮き彫りにすることを拒んでいます。こうした分かりにくいことや、分かっていない食の安全事例として遺伝子遺伝子組み換え食品が紹介されていました。この遺伝子組み換え食品は安全か?危険か?まだ分からないのが現状で正確な評価がまだでていない状態だそうでうす。しかしそれでも食卓に並ぶこともあるのが現状で、将来想像できない健康被害に結びつく怖さを秘めています。そうした情報をもっと社会全体で声をあげて考えていく必要があると思います。フランスでは国家予算でオーガニックのPR事業が組まれているそうです。前回の歴史の授業からオーガニックが国民に広がるのは簡単ではなく、フランスに見られるように国家予算を使ってPRしていく必要があると思いました。
今回の講義は許斐先生が講義の始めに話されていたように身近なところから食品の安全を考えさせられる講義でした。また、講義では参考となる映像作品として「フードインク」や「未来の食卓」「複合汚染再び」を紹介されていました。参考本としては「有吉佐和子著/複合汚染」が紹介されました。是非見たいと思います。
休憩2
15:35(10分休憩)
講義第3部
第3部は、高知工科大学地域連携機構客員教授の守川先生の授業でした。守川先生が、オーガニックの分野に興味を持ったのは、第2部で話しが出たように、食品の安全性の評価基準が、法律や規制が曖昧で確立していないと気づいたのがきっかけだそうです。また、安全性を証明する実験データや研究結果が乏しいのが現状で、健康な人に対して安全性を謳っているだけで、化学物質に過敏な人や、すでに疾患を持った患者に対しての安全性は確認されていないなど、現在の食品の安全評価の甘さを指摘されていました。食品に対しての制度や規制、安全性の評価や安全認証のプロセスなど、まだまだ考える事が山積みなんだなと感じました。
16時15分終了