LaTeX
1. はじめに
このページは私のLaTeXによる論文執筆環境を構築するための備忘録を目的としてまとめています。ここでは簡易に手順をまとめ,より細かい説明に関しては,参考文献や参考WEBサイトを紹介しています。
LaTeXについて
私は普段 pLaTeX2e と upLaTeX2eを状況によって使い分けて使用しています。
会話の中では大変大雑把にTeXと言う場合もありますが,Texは,数学者ドナルド・クヌース(Donald Ervin Knuth)博士が開発したコンピュータによる「組版システム(文字や図を配置して紙面を作る)」です。そして,LaTeX はより使いやすいように, TeX をベースに構築された命令文を用いて文書を作成できる「文書処理システム」となっており2つは明確に区別されています。そしてLaTeX2eは新しいバージョンのLaTeXを意味しており,さらに日本語向けに改良されたものが pLaTeXです。頭文字の p(ピー)は publishing(出版)の意味です。そして文字コードを内部unicode化したものがupLaTexとなっており,それらを総称してLaTeXと表記されていることが一般的です。
世界には様々なTeXが開発されており,詳しく知りたい方は,日本の日本語TeX開発コミュニティが管理している「Tex wiki」を参照してみて下さい。
TeX wiki:https://texwiki.texjp.org/
TeX wiki:https://texwiki.texjp.org/?国内リンク#manual-intro
2. LaTeXを使うためのアプリケーション
私はLateXで執筆するためにAtomを使っています。この章ではAtomのインストールと,必要な拡張Packageについてまとめています。
MacTEX
Atomに必要なファイルが入っているので取り合えずインストールします。 4.4GBもあるのでダウンロードに時間がかかります。
インストールが終わったらAtomの設定に移ります。
MacTEX:https://tug.org/mactex/
Atom
Atom はGitHub が開発するオープンソースのテキストエディタです。
私が初めてLaTeXを使用するために選んだアプリケーションはTeXPadでした。iPadやiPhoneでも使用できるのがメリットなのですが,私の環境ではタイプセットの動作が重く,使用が辛くなってきたのでAtomに変更しました。
LaTeXを使用するアプリケーションは他にも,TeXShop や TexLive といった選択肢がありますが,Atomeはプログラミングで使うエディタやTerminalとしても使用できるため,複数のアプリケーションをAtomに集約できてスマートです。
Atomのインストールは公式ホームページから行います。またインストール後の詳しい設定についてはTeX wikiにまとめられています。私のページでは簡易にAtomにインストールする拡張パッケージをまとめました。
Atom:https://atom.io/
TeX wiki [Atom]:https://texwiki.texjp.org/?Atom
Atomにインストールする拡張パッケージ
latex LaTeX 文書をコンパイル・プレビュー
language-latex 構文ハイライトとスニペット。
latex-tree Alt+Command+M で 章・節をツリー表示して,ツリーから移動もできる。
pdf-view PDFをプレビューできる,連携もする。
language-latex の設定を以下に変更しました。Engineとして使用するのは pLateXなのかupLaTeXなのか注意して選びます。
controll+option+c でコンパイル時に作成されるファイルを削除できます。デフォルトだとPDFまで削除されるので,削除リストから,「**/*.pdf」項目を削除。
language-latex パッケージ使い方のコツ
itemize を入力する時は,it <ENTERキー> と入力すると
\begin{itemize}
\item
\end{itemize}
のように入力を補完してくれます。図は fi <ENTERキー> 表は ta <ENTERキー> で同様に入力できます。
Atom で BiBTeX を使うときの設定
Atomの「latex」パッケージを使ってTeXファイルをビルドする際,引用文献のスタイルを決める\bibliographystyle{jplain}
を使おうとしましたが、全くビルドしてくれませんでした。この問題に対して以下のサイトが参考になりました。
参考WEBサイト:【TeX】Atomでjplainを使う方法
3. TeXおよび関連ソフトの基本マニュアル
LaTexの使い方はネットで検索することが多いと思いますが,検索せずともtexdocコマンドを使用してマニュアルを読むことができます。
例えば section について調べたいなら,ターミナル を開いて
texdoc section
を入力すると「The section package」のマニュアルを読むことができます。
4. 参考文献等
奥村晴彦,黒木祐介 , [訂正第7版]LaTeX2e 美文書作成入門,2019.
日本語TeX開発コミュニティ,TeX wiki ,2020-05-04.
https://texwiki.texjp.org/TeX/LaTeX入門 - wikibooks:https://ja.wikibooks.org/wiki/TeX/LaTeX入門