CAD・図学
CAD・図学ページ (2024年度用 ページ更新日:2024.12.22)
講義の概要
建築は立体物であり、とりわけその内部に空間があることに大きな特質があります。建築の設計は立体とその内部にある空間を計画することに他なりません。この講義では、まず、図学基礎として、立体の射影と切断について学び、その後、住宅規模の小建築の三面図(平面図、断面図、立面図)やその立体表現である透視図、アイソメトリック、アクソノメトリック図法について学びます。次いで2次元cadの作図技法の基礎を学び、cad特有の製図の特質について理解します。最後に応用課題として、各自が好む建築空間設計を行い、スタディモデルやスケッチ作成を通して建築設計手法の基礎を学ぶとともに、その三面図化や立体表現化を2次元cadにて行います。最終的にはプレゼンボードにまとめあげ、総合的な設計図書として完成させます。
この講義は3つのStepで構成されています。
1. 講義の進め方
この演習では図面の描き方を身に付けます。履修生が多いため、一から十まで手取り足取り教えることはできません。このホームページや配布資料、教科書を読んで各自で進めてい行きます。上手くいかないことも多いと思いますが、その場合の質問とサポートを教員とTAが行います。
2. 教室
⚪︎ C1-WS室
3. 必要な製図道具
< 教員からのメッセージ >
建設系の授業は製図や模型作成の道具などを揃える必要があります。2024年度から学生の経済的な負担を考慮し、方眼用紙はダウンロードできるようにしました。また教科書についても購入せずとも授業は進められます。ただし、道具や教科書はみなさんの自習を進める上で有用です。それぞれの経済事情を踏まえて購入できるところは揃えることを勧めます。
[ 必須の製図道具 ]
シャープペンシル、または芯ホルダー、鉛筆(必須)
太さの異なる線を使い分ける必要があるので、異なる芯径のシャープペンシル、もしくは硬度の異なる芯があると便利です。しかし図面を手描きするのは、この講義が最初で最後になる可能性が高いので、今持っている道具でやりくりするのが良いかもしれません。
シャープペンシル は0.5mmを使っている人が多いと思いますが、0.3mmとか、0.7mm、0.9mmなどもあります。定規を使いやすいシャープペンシルはガイドパイプの長さが4mm程度あるものです。
芯ホルダー は鉛筆と同じ2mm径芯が使えてシャープペンシルの機能性を合わせ持った筆記具です。製図や美術などで利用されるため、芯の種類はシャープペンシルより多いです。また、鉛筆のように木を削る必要が無いため、芯研機は小さく、キャップに付属しているものもあります。普段使いとしても使い勝手が良いので、シャープペンシルとは違う筆記具を求めるのならおすすめします。
消しゴム(必須)
・特別な消しゴムが必要ではありません。みなさんが普段使っている消しゴムで大丈夫です。
添削用の赤ペンor赤鉛筆(必須)
・この講義では隣の人の図面を添削します。教え合うことは最も合理的に学ぶ方法です。
・赤い線が描ければ何でもOKです。シャープペンシルや芯ホルダーに赤芯を入れ替えるのも良い手でしょう。
三角定規(45°と30°の2種類)(必須)
・小さいと使いづらいので15cm〜24cmぐらいのものがお勧めです。大学売店には18cmを置いてもらうようにお願いしてあります。
コンパス(必須)
・100円ショップに売っているものでもOKです。大学売店にもあります。シャープペンシルがついているものが利用しやすいです。
方眼用紙(A4サイズ)(必須:HPからダウンロード可能:ページはこちら)
・方眼紙に図面を描いて提出するので必ず必要です。大学売店に売っています。
三角スケール
・この講義で必須ではありませんが、工学を学ぶ学生は必ず持っているといって良いでしょう。
三角スケールがあると、いろいろな縮尺の図面を描く際に、いちいち電卓を叩いたり暗算しなくて良いので便利です。
最初は一般用15cmサイズで良いと思います。建築士用30cmサイズとかいろいろあります。
[ ここから下は、来年1月からのStep3で使います ]
スチレンボード(3mm厚)(必須)
・Step3のプレゼン模型の作成に必要です。売店に売っています。
カッターナイフ/スチール定規/カッターマット/適当な接着剤(必須)
・「デザイン基礎」の講義で使ったものでOKです。
スマホ or カメラ(必須)
・模型の動画の撮影〜YouTube公開に使います。
[ あると便利な道具 ]
マスキングテープ
・図面を描く際に方眼紙をテーブルに固定する際や、模型の仮止めにあると便利です。
4. 教科書について
Step1の手描き図面の演習では、資料を講義中に適宜配布します。
Step2からはパソコンで図面を描きます。その際には教科書として「やさしく学ぶJw_cad8(3200円+税)」を用います。売店などで購入するか、先輩からもらい受けてください。
※Step2の課題の説明は第2回に行うのでその時に教科書があると分かりやすいでしょう。
5. 授業日程
01. 12/05(木)ガイダンス
02. 12/09(月)三面図と断面図
講義の概要の説明
Step1の説明
Step1-1 三面図 の説明
Step1-2 断面図 の説明
Step2の説明
◯ 課題締切:Step1-1-1は12/09(月)授業中 , Step1-1-2 と Step1-2-1 ,1-2-2 は12/12(木)授業中
03. 12/12(木)芯線から描く躯体平面図と断面図
Step1-3 芯線と躯体平面図 の説明
Step1-4 芯線と躯体断面図 の説明
◯ SLACKにアカウント登録の連絡
◯ 課題締切:Step1-3 平面図, Step1-4 断面図の課題提出は12/16(月)の授業中
04. 12/16(月)アイソメ図とアクソメ図
Step1-5 アイソメ図とアクソメ図 の説明
◯ 課題締切:Step1-5 の課題提出は12/19(木)の授業中
05. 12/19(木)実技試験とJw_cadによる作図はじめ
実技試験 1回目 ( 場所:C1-WS と B101号室 )
Step2の説明
Step2-1 の説明
線・円の作図と消去
寸法の決まった図の作図と図面の保存
図面を開き、描き加えてSlackに提出
課題2-1 自主作図課題①
◯ Slack 利用開始
◯ 課題締切:12/23(月)授業開始まで
06. 12/23(月)家具と部屋,文字や寸法・図枠の作成
Step2-2 の説明
家具の平面図の作図
部屋の平面図の作図
課題2-2 自主作図課題②③
文字の記入
寸法の記入
課題2-2 自主作図課題④⑤
◯ 課題締切:01/09(木)授業開始まで
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冬 休 み
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07. 01/09(木)平面図をもとに断面図を作図する
実技試験再提出(再提出者のみ)
Step2-3 の説明
平面図に、芯線、芯線記号、断面記号、方位記号を書き書き込む。
平面図をもとにの断面図を作図する。
A3用紙縦使いとし、上から平面図、断面図の順番でレイアウトする。
◯ 課題締切:01/16(木)授業開始まで
08. 01/16(木)Follyの設計はじまり
Step3の課題の説明
Step3-1 スタディ模型の準備 の説明
Step3-2 スタディ模型の作成 の説明
◯ 課題締切:01/20(月)授業開始まで
09. 01/20(月)Follyのスタディ模型から平面図、立面図、断面図の作成(シングルライン)
Step3-3 スタディモデルからの三面図作成 の説明
Step3-4 スタディ模型と図面の相互添削 の説明
◯ 課題締切:01/23(木)授業開始まで
10. 01/23(木)平面図、立面図、断面図の作成(ダブルライン)
Step3-5 平面図と断面図をダブルライン化する の説明
◯ 課題締切:01/27(月)授業開始まで
11. 01/27(月)図面を用いたコミュニケーション
Step3-6 プレゼン模型の作成 の説明
◯ 課題締切:02/03(木)授業終了まで
12. 01/30(木)模型と図面のチェック,プレゼン資料(設計図書)の作成
Step3-7 プレゼン資料のまとめ方を説明
図面の個別チェック
13. 02/03(月)模型と図面のチェック,プレゼン資料(設計図書)の作成
図面の個別チェック
14. 02/06(木)プレゼン資料(設計図書)と模型の提出
プレゼン資料とプレゼン模型を教員とTAがチェックする.
◯ 課題締切:01/16(木)授業終了まで
15. 02/10(月)講評会
成 績 評 価
以下の方法で成績評価します。
Step1 20点
Step2 20点
Step3 60点
最終成績は以下の条件によります。
AA:90点以上
A:80点以上
B:70点以上
C:60点以上
F:60点未満
注意点
成果品のコピーについて
この講義では、コンピュータを利用するため、Step2の成果品の提出にあたって、他人の成果をコピーすることがきわめて容易にできます。しかしそれは、愚か者の仕業となるでしょう。
Step3では、限られた時間で、各自でオリジナルのフォリーをデザインすることになります。ここでは他人のコピーはできません。CADの腕を磨いておかなければ苦労します。
関連&参考WEB-SITE
2021年までのCAD・図学 のHP
http://www.infra.kochi-tech.ac.jp/shige/CAD/CAD_outline.htmlJw_cad のページ
https://www.jwcad.net/